首都高地下化に関連して、区は道路空間を活用した「緑のプロムナード」の検討も進める。東京高速道路(KK線)を廃止して緑道を整備するほか、築地川区間では掘割の首都高上部に人工地盤を整備する「築地川アメニティ整備構想」を検討する。区の2020年度予算案では、調査検討費などとして500万円を計上した。
20年度からの検討では、プロムナード化に向けた課題や空間形成コンセプト、機能配置とゾーニングイメージ、首都高日本橋区間との連携などについて調査検討を進める。
KK線については道路機能を廃止し、道路部分に緑化した「グリーンベルト」として遊歩道を整備する方向で検討する。ニューヨークにある貨物線跡地の都市公園「ハイライン」を参考にしている。日本橋の首都高地下化では、江戸橋JCTのランプ撤去によって大型車の最短ルートが失われる。現時点での検討ではKK線に替わる新たな地下化ルートを整備する案が有力だ。
一方、築地川区間のアメニティ整備構想では、新富2丁目の三吉橋から銀座8丁目までの1㎞前後を検討範囲とし、首都高の大規模更新事業にあわせて実施する計画。人工地盤の整備は、築地川によって分断されている銀座と築地の両エリアを接続し、一体的な連続性を生み出す狙いだ。
築地川周辺で計画中の再開発事業などとの連携も視野に入れている。築地側周辺では、中央区役所がある三吉橋周辺地区、旧電通本社ビルなどがある築地1丁目地区、新橋演舞場に近い采女(うねめ)橋周辺地区などで再開発の構想がある。公共施設の更新や老朽化したビル群の再開発などにあわせた空間整備を想定している。